思ってたのと違う!CSSの背景とグラデーションでよくある誤解を解く

CSSを使っていて「うまくいかない…」「想像と違う…」と感じた経験、ありませんか?

特に、ウェブサイトに写真を飾ったり、色をきれいに混ぜ合わせたりするための設定は、初心者にもベテランにも混乱を招きやすいポイントです。

この記事では、よくある誤解の原因を分かりやすく解説し、CSSの背景画像サイズやグラデーションの挙動を正しく理解するための基礎知識を紹介します。


目次

背景画像が切れる?「contain」と「cover」の決定的な違い

まずは背景画像のサイズ指定に関する問題です。画像をボックスに表示させたいとき、containcover、どちらを使うべきか迷ったことはありませんか?

background-size: contain; は、どのような表示になる?

選択肢:

  • A. 画像全体が枠にきれいに収まるように縮小・拡大される
  • B. 画像が枠からはみ出しても、枠全体を覆うように拡大される
  • C. 画像の縦横比を無視して、枠いっぱいに引き伸ばされる
  • D. 画像が元のサイズで表示される(調整なし)

正解:A. 画像全体が枠にきれいに収まるように縮小・拡大される

解説:

background-size: contain; は、画像の縦横比を保ちながら、画像全体が親要素(枠)の中に収まる最大のサイズに調整されます。

このため、画像が切れることはありませんが、枠内に空白(余白)が発生する可能性があります。

background-size: cover; の場合:

正解の B に該当します。画像の縦横比を保ちつつ、要素全体を覆うサイズに拡大されます。この時、画像の一部が切れてしまう可能性があるので、デザイン意図に沿っているか注意が必要です。


グラデーション指定も意外と誤解されている!

CSSのグラデーション指定は、シンプルなようで理解に差が出やすいポイントです。

このグラデーションは、どっち向きに変化する?

background: linear-gradient(red, blue);

選択肢:

  • A. 赤から青へ、上から下に向かって変化する
  • B. 赤から青へ、下から上に向かって変化する
  • C. 赤から青へ、左から右に向かって変化する
  • D. 赤から青へ、右から左に向かって変化する

正解:A. 赤から青へ、上から下に向かって変化する

解説:

linear-gradient() は、方向を指定しないと「上から下」にグラデーションがかかるというCSSの初期設定があります。

つまり、「上に赤、下に青」という表示になります。これはCSSが、方向の記述がなかったときに 自動で「to bottom」を指定してくれるからです。

先輩A

現場エピソード:FigmaやIllustratorでデザインされたグラデーションが、実装したら上下逆になってしまった…という事例は多くあります。これは、デザインツールとCSSの方向指定のデフォルトが異なることがあるためです。


【現場あるある】CSSの背景設定で困った話

画像がはみ出して怒られた

ある案件で、「背景画像が途中で切れてるよ!」とクライアントに言われ、慌てて確認したところ、background-size: cover; を指定していたことが原因でした。

画像を画面全体に広げたかったのですが、そのせいで一部がトリミングされてしまっていたのです。coverは便利ですが、画像全体が見える保証はないということを知らないと、こうしたトラブルに繋がります。

グラデーションの方向を逆にして怒られた

「上から赤、下が青にしてね」と言われて作ったはずが、「上下逆だよ!」と指摘されたことがあります。

確認すると、linear-gradient(blue, red) と色の順番を逆にして書いていたことが原因でした。

グラデーションは 色の順番が視覚に直結する ので、要注意です。


まとめ:CSSあるあるを減らすコツ

背景画像やグラデーションは、CSSでデザイン性を上げる重要な武器です。

しかし、指定の意図と実際の効果がズレていると、トラブルの元になります。

背景とグラデーションを正しく扱うポイント:

  • 背景画像サイズは 「contain」と「cover」の違いを明確に理解する
  • グラデーションの 方向と色の順序に注意する
  • デザインツールと実装で仕様のズレを意識する
  • クライアントやチームとのやりとりでは、見た目の確認をしっかり行う

CSSの奥深さは、正しく学べば大きな武器になります。

「なんとなく指定」ではなく、「意図して設計・実装する」習慣を、ここから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

Duo Partner Design合同会社 代表。
デザイン・Web・ブランディングの現場を20年以上にわたり牽引。
中小企業の課題を「見える化」し、Web戦略・集客・採用・広報を一体で支援している。
また教育分野にも注力し、実務に即したWebスキルを学べる「DPDアカデミー」を主宰。現場で通用する“伝わるデザインと戦略思考”を伝えている。

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