Webサイトの”見た目”だけで満足していませんか?意味を伝えるマークアップの基本

「見た目は完璧なのに、なぜか検索で上位表示されない…?」

Webサイトの価値は、デザインの美しさだけでは決まりません。その裏側にあるHTMLが、「意味」や「構造」を正しく伝えているかが非常に重要なんです。この記事では、HTMLにおける「意味のあるマークアップ」の重要性について、現場でありがちなミスや改善のヒントを交えて解説していきます。


なぜ”意味のあるマークアップ”が重要なのか?

私たち人間は、画面に映る見た目(デザイン)で情報を読み取りますが、検索エンジンや支援技術(スクリーンリーダーなど)は、HTMLのコードを読んで情報を判断します。

たとえば、表のタイトルを<caption>タグで書かず、ただの<p>タグで書いてしまうと、検索エンジンやスクリーンリーダーは「この表が何についてのものか」を正しく認識できません。意味のあるマークアップを心がけることは、SEO(検索エンジン最適化)の観点でも、アクセシビリティ(誰にとっても使いやすいこと)の観点でも非常に重要です。


つまずきやすい!現場の「あるある」ミス

ここでは、Web制作の現場で初心者が陥りがちなミスと、その解決策を具体的に見ていきましょう。

olタグの中にdivを入れていませんか?

<ol>タグ(順序付きリスト)の中に書けるのは、基本的に<li>タグだけです。

HTML

<ol>

  <li>ステップ1</li>

  <li>ステップ2</li>

</ol>

HTML

<ol>

  <div>ステップ1</div> </ol>

これは初心者がやってしまいがちなミスです。ある新人コーダーは「見た目を整えたくてdivを使った」そうですが、Chromeの検証ツールで見ると、<li>の丸いマーク(リストマーカー)が表示されず、レイアウトが崩れてしまいました。HTMLの構造上、リストであることを正しく伝えるには、必ず<li>タグを使用しましょう。

進捗バーを作るならprogressタグ

進捗を表すバーをHTMLで作りたいとき、<div>や<span>で無理やり作ろうとする人がいますが、それではその情報が機械には伝わりません。

<progress>タグを使うと、ブラウザや支援技術が「この部分は進捗バーだ」と認識できます。これはアクセシビリティを考えるうえでも大切です。たとえば、視覚障害のある方が画面読み上げソフトを使っている場合、<progress>タグが使われていれば「進捗65%」と読み上げてくれます。

HTML

<label for=”file”>ファイルアップロードの進行状況:</label>

<progress id=”file” value=”65″ max=”100″>65%</progress>

こうした「意味をもった要素」を使うことで、より多くの人に伝わるWebサイトになります。

captionタグは“表のタイトル”専用です

<caption>タグは、HTMLテーブルにおいて表のタイトルや説明を記述するための専用要素です。

HTML

<table>

  <caption>2025年 Web制作実績</caption>

  <tr>

    <th>クライアント</th><th>制作内容</th>

  </tr>

  <tr>

    <td>株式会社〇〇</td><td>コーポレートサイト</td>

  </tr>

</table>

このように、テーブルの直下に<caption>を記述することで、表の内容が何を示しているかを機械にも人間にも伝えることができます。ある現場では、<h2>タグで表のタイトルを書いていたため、検索エンジンが「これは見出しなのか、表のタイトルなのか?」と混乱し、表の内容と見出しの関連性が弱く評価されてしまうケースがありました。


まとめ:タグの選び方は「意味ありき」で!

HTMLを書くとき、「どうやって見せよう?」と考える前に、「この情報は何を意味するのか?」と自問してみてください。

  • リスト → <li>を使おう
  • 進捗 → <progress>がある
  • 表のタイトル → <caption>が正解

このようにタグの意味を理解して使うことで、あなたのWebサイトはより伝わりやすく、使いやすく、評価されやすくなります。意味のあるマークアップを習慣づけて、コードに“優しさ”を加えていきましょう。

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この記事を書いた人

Duo Partner Design合同会社 代表。
デザイン・Web・ブランディングの現場を20年以上にわたり牽引。
中小企業の課題を「見える化」し、Web戦略・集客・採用・広報を一体で支援している。
また教育分野にも注力し、実務に即したWebスキルを学べる「DPDアカデミー」を主宰。現場で通用する“伝わるデザインと戦略思考”を伝えている。

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