「誰に、何を、どの順番で届けるか」。Instagramの成果は、この一本軸でほぼ決まります。
本記事はペルソナ(理想顧客像)を起点にした実務フローを、ムズかしい専門用語を避けて解説。
作り方→検証→改善までをテンプレ付きでまとめ、明日からの投稿案にそのまま落とし込めるようにしました。
ペルソナとターゲットの違い


ターゲットは広い“層”。ペルソナは顔が浮かぶ“個人”。投稿を作るときに思い浮かべるのは、かならず後者です。
顧客理解は「属性・状況・感情」の3点セット
- 属性:年齢/居住地/職業/家族構成/可処分時間・収入
- 状況:平日・休日の動き、Instagramを見る時間帯・端末、購入までの経路
- 感情(動機):叶えたいこと/避けたいこと/決断の最後のひと言
ペルソナ設計の手順(6ステップ)
- 目的:予約/問い合わせ/EC購入/来店 など
- 指標(KPI):保存率/プロフィール遷移率/フォロー転換率/DM数
- 目安設定:初期は「保存率2%以上・プロフ遷移2〜3%・フォロー転換5%前後」を暫定基準に(自アカ内で更新)。
「地域×ライフステージ×課題」で一行に。
例:首都圏×小学生の子がいる共働き×時短ニーズ。
- Instagramインサイト:性別・年齢・アクティブ時間
- 既存顧客の声:購入前の不安/決め手
- DM・コメント:質問・つまずきワード
- 競合観察:保存されるテーマ、冒頭3秒の作り方
- 検索意図:よく調べる語(メモでOK)
ペルソナ項目テンプレ
- 名前(仮)/年齢/住まい/家族構成
- 職業・年収レンジ・自由になる時間帯
- 1日の流れ(Instagramを見るタイミングと端末)
- 直近の目標/いま困っていること(顕在)
- 根っこの不安・期待(潜在)
- 好きな表現トーン(やさしい/てきぱき/データ重視 など)
- 決断の最後に背中を押す言葉(例:「今週中なら予約しよう」)
- 顕在=本人が自覚している困りごと
- 潜在=言語化していない本音(失敗回避・承認欲求・将来不安 など)
→ 顕在には“手順・比較”、潜在には“共感・物語・実例”で応える。
ステージ別マップ
- 発見(新規):1秒で結論/チェックリスト/Before→After
- CTA:保存/ハイライトへ
- 検討(比較):よくある質問/価格や選び方/失敗回避
- CTA:資料・メニューを見る/地図
- 決定(行動):空き枠・所要時間・手順・保証
- CTA:予約・問い合わせ・購入
30分で作る「ライト版ペルソナ」ワーク
1. 一言ペルソナ(30秒)
「首都圏・37歳・共働き・子2人。21:30スマホで寝室スクロール。」
2. 3つの痛み(3分)
例:探す時間がない/失敗を避けたい/手順が複雑だと挫折
3. 3つの欲求(3分)
例:短時間で要点把握/同じ境遇の実例/“今からできる”行動
4. 投稿テーマ5本(7分)
例:①5分で理解シリーズ ②値段・時間の比較 ③Before→After
5. フック文3つ(7分)
「3分で完了:まずはここだけ」
「9割がやってる勘違いを1枚で修正」
「今日から使えるチェックリスト」
6. CTA1つ(1分)
例:「保存→今週末に見返して実行」
ペルソナ文例
田中ゆか(仮)37歳・神奈川在住・共働き
子2人。平日21:30〜22:30にスマホでInstagram。
顕在の悩み:探す時間がない、失敗したくない、手順が複雑だと挫折。
潜在の本音:家族時間を削らず“ちゃんと選んだ”安心がほしい。
好むトーン:てきぱき・図表・「まずはここだけ」。
決め手:「空き枠」「所要時間」「支払い・変更可否」が一画面で分かると押せる。
コンテンツ企画テンプレ(リール/フィード/ストーリーズ)
リール(新規獲得用)

- 冒頭1秒:結論ワード
(数字・失敗回避・比較) - 10〜20秒:1テーマ1メッセージ
- 末尾:保存を促す(「週末用メモに」)
型例
- 「初めてさんがつまずく3箇所/直し方はこの順」
- 「買う前に見る:価格と体験の損得表」
フィード(信頼づくり)

- 10枚カルーセル
- 1枚目 結論
- 2–3枚目 Before/After
- 4–7枚目 手順
- 8–9枚目 失敗回避
- 10枚目 CTA
- 「比較」「チェックリスト」「Q&A」は保存率が伸びやすい。
ストーリーズ(関係強化)

- 毎日ミニQA/投票/クイズ
- 「空き枠」「所要時間」「持ち物」など
“いま必要”な情報 - 回答はハイライトに整理
業種別・企画例(3本ずつ/そのまま使える)
宿泊・観光
- リール:季節×時間帯×体験「夕景×温浴×夜空の3分ルート」
- フィード:半日モデルコース「駅→周遊→宿の過ごし方」
- ストーリーズ:空き室速報/当日割/アクセス導線(地図・所要時間)
EC・ギフト通販(D2C含む)
- リール:開封〜使用1分/名入れ・のし3例/相手別おすすめ
- フィード:価格・送料・最短お届け表/セット比較/ラッピング実例+文例
- ストーリーズ:再入荷・締切告知/名入れQ&A(→ハイライト保存)
飲食・小売
- リール:断面・湯気・音など食感の瞬間
- フィード:品書き(価格・原材料・アレルギー)と“迷ったらコレ”3選
- ストーリーズ:完売/再入荷/ピーク回避案内
教室・レッスン
- リール:1回で変わる“前→後”(姿勢/発音/速度)
- フィード:レベル別の学び方と料金早見
- ストーリーズ:体験枠と準備物/受講生の声
よくある失敗とリカバリ(即日で直す)

“映えるだけ”で誰向けか不明



プロフィール1行目をベネフィットに変更。「誰が何を得られるか」。



CTAが多い



投稿ごとに1つに絞る(保存 or ハイライト or 予約)。



テーマが散らかる



柱3〜5本を冒頭に固定投稿し、以後は柱内で回す。



伸びた理由を言語化しない



週1で上位/下位の冒頭・構図・言い回し・CTAを比較メモ。



根拠のない“自分語り”



体験談は他者の再現性が見える形(手順・条件)で。
検証の見方(インサイトの押さえどころ)
- 保存率:価値の“後読み”需要。低ければ比較・手順化を増やす。
- プロフィールアクセス率:関心の深さ。低ければ1枚目で“何の専門家か”を明示。
- フォロー転換率:TOP9とプロフィール文の完成度。
- リーチ内訳(フォロワー外比率):新規獲得の度合い。低ければリールの冒頭1秒を再編集。
- DM/リンククリック:行動に最短の設計かを確認。
14日スプリント&30日ループ(運用カレンダー)
Day1–2:ターゲット一行化/暫定KPI設定
Day3–4:材料収集(インサイト・質問・競合観察)
Day5:ライト版ペルソナ作成
Day6–7:企画出し(リール6/フィード4/ストーリーズ台本)
Week2:配信→毎晩メモ(冒頭文・反応・保存理由)
週末:上位3本をテンプレ化/下位要因を1つだけ修正
30日目:プロフィール文・TOP9・ハイライトを学びで更新
ハッシュタグは“補助輪”だけでOK


量より意図の一致。
主戦場は発見タブとおすすめ。まずは中身(保存価値)を上げる。
まとめ
- 誰に何を届けるかは、ターゲットではなくペルソナで決める。
- 設計は「属性・状況・感情」の3視点→顕在/潜在の悩み→ステージ別コンテンツ&CTAへ。
- 伸びる要素は冒頭1秒・保存価値・TOP9の完成度。
- 週1の言語化と、月1のプロフィール更新で勝ちパターンを固定する。
最初の一歩は、ライト版ペルソナを30分で作ること。そこから1本のリールをつくり、保存されるかだけを見て手を加えていきましょう。
結果は必ず積み上がります。






