「動かない!」をなくすJavaScript入門|初心者がつまずく3つの壁と乗り越え方

「書いたとおりに動かない…」

JavaScriptを始めたばかりの人が最初に感じるのは、このもどかしさかもしれません。

HTMLとCSSは見た目にすぐ反映されるので分かりやすいですが、JavaScriptはページの「動き」や「仕組み」を裏側で制御する縁の下の力持ち。この仕組みを理解しないままコピペで進めると、すぐに壁にぶつかってしまいます。

この記事では、JavaScriptの基礎である「DOM操作」「変数」「イベント処理」の3つのポイントを、現場のリアルな話も交えながら、誰でもわかるように解説していきます。


目次

1. DOM操作って結局なに?

DOM(Document Object Model)を簡単に言うと、ウェブページを「レゴブロック」のように扱うための設計図です。

HTMLの要素(見出しや段落など)一つひとつがブロックとして扱われ、JavaScriptはその設計図(DOM)を通して、ブロックを動かしたり、色を変えたり、新しいブロックを追加したりできます。

JavaScriptが得意とするのは、この「DOMを使ってページ内の要素を操作する」こと。たとえば、ページ内のテキストをクリックしたら色が変わる、といった動作もすべてDOMを通じて行われます。

先輩A

現場エピソード:「JavaScriptって難しそう…」と避けていた新人が、DOMの操作に触れて初めて「これが画面に反映されるのか!」と納得し、自信を持ち始めました。

DOMはJavaScript以外からも使える

意外と知られていない事実ですが、DOMはJavaScript専用ではありません。

PythonやPHP、TypeScriptなどからもDOM操作は可能です。JavaScriptが圧倒的に多く使われているのは、ブラウザがネイティブで対応しているからです。ページを開いたその瞬間からDOM操作が可能なのは、他の言語にはない大きな強みです。


2. 変数宣言 let / const / var の違い

変数とは、データを一時的に保存しておく「箱」のようなものです。

JavaScriptでは、この箱をどう扱うかで3つのキーワードを使い分けます。

  • var:昔からある古風な箱。中身を自由に入れ替えたり、同じ名前の箱を何度も作れたりします。自由すぎるため、意図しないバグの原因になりやすく、今ではあまり使われません。
  • let:現代的な箱。中身の入れ替えはできるけれど、同じ名前の箱は二度と作れません。これにより、意図せず前のデータを上書きしてしまうミスを防げます。
  • const:絶対に中身を変えたくないときに使う鍵のかかった箱。一度データを入れたら、それ以降は変更不可。変更しない値(例:サイト名など)に最適です。

3. HTMLとJavaScriptの連携でつまずく定番ポイント

イベント処理(クリックしたら動く、ホバーしたら変化するなど)を実装しようとして、うまくいかない……という経験、ありませんか?

たとえば、次のようなHTMLがあったとします。

<a href=”#” onclick=”makeTextBigger()”>文字を大きく</a>

<p>このテキストを大きくしたい</p>

JavaScript側ではこう書きます。

function makeTextBigger() {

  document.querySelector(“p”).style.fontSize = “2em”;

}

これでリンクをクリックすると段落の文字が大きくなります。

よくある間違い(すべてNG)

document.getElementByTag(“p”).style.fontSize = “2em”;

// × getElementByTag は存在しない(正しくは getElementsByTagName)

document.getElementsByTagName(“p”).style.fontSize = “2em”;

// × リストが返るので、個別に指定しないと動かない

document.querySelectors(“p”).style.fontSize = “2em”;

// × querySelectors は存在しない(正しくは querySelector)

正解はこれ:

document.querySelector(“p”).style.fontSize = “2em”;

querySelectorは、最初に見つかった1つの要素を選択してくれる非常に便利なメソッドです。

先輩A

現場エピソード:「getElementsByTagNameで指定してるのに全然効かないんです」と新人が悩んでいましたが、このメソッドが複数の要素をリストで返すこと、そしてquerySelectorを使えば最初の1つを簡単に選べると気づき、問題解決。その後の実装もスムーズに進みました。


まとめ:JavaScriptは仕組みから理解すれば怖くない

JavaScriptは、ただ書くだけでは理解が進みません。

「なぜこのコードが必要なのか」「どこを操作しているのか」という構造から理解することで、グッと楽しくなります。

初心者が理解すべき3つの柱:

  • DOM操作:ウェブページの中身を動的に変えるための橋渡し
  • 変数宣言:letやconstを使うことで、予期せぬエラーを減らせる
  • イベント処理:ユーザー操作に応じて「何をするか」を定義する

コピペでなんとなく動かすのではなく、「なぜこのコードで動くのか」を一つずつ確認していくことが、スキルアップへの近道です。

今後さらに複雑な処理を扱っていくためにも、基礎をしっかり固めていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Duo Partner Design合同会社 代表。
デザイン・Web・ブランディングの現場を20年以上にわたり牽引。
中小企業の課題を「見える化」し、Web戦略・集客・採用・広報を一体で支援している。
また教育分野にも注力し、実務に即したWebスキルを学べる「DPDアカデミー」を主宰。現場で通用する“伝わるデザインと戦略思考”を伝えている。

目次